11:10~「人ネットワーク」
FMいるかでは、新型コロナウイルス感染再拡大にともなう特別番組編成で放送をお届けしています。当面の間お客様はお電話でのご出演となります。
今日は、北海道立近代美術館 学芸企画課長の大下 智一さんにお電話でご出演いただきました。
現在は札幌の近代美術館にいらっしゃる大下さん。かつては北海道立函館美術館の学芸員さんで、FMいるかの番組にも度々ご出演下さいました。函館には、通算で20年程ご勤務されたそうです。
函館美術館時代、函館の古い写真を扱う展覧会なども担当された大下さん。現在、東京の恵比寿ガーデンプレイスの中にある「東京都写真美術館」で開催中の「写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて」という展覧会にも関わっていらっしゃいます。
写真はいくつかの国から、それぞれのルートで日本に伝わってきますが、函館へは幕末期にロシア人により写真技術が伝えられ写真文化が華開きます。日本の写真発祥の地のひとつである函館には、貴重な写真が数多く残されています。
今回の展覧会では、箱館戦争の際の絵図や、旧幕府軍・新政府軍の志士、景色や街並み、函館に関わった人々、市井の人の暮らしぶりが分かるもの等、多岐に渡る写真が展示されています。
フライヤーの写真は、正面に函館山が見えています。頂上の形が今とは異なります。手前を流れるのは願乗寺川。現在は埋め立てられていますね。山の麓には、現在と少し形は違いますが、ハリストス正教会が見えています。
このように今も残る建物が見られるものもありますので、街の変化を比較してみるのも面白いかも知れません。
大下さんがいらっしゃる近代美術館は、現在設備工事のため臨時休館中です。3月26日から再開し、書道展が開催されます。
4月22日からは、注目の特別展「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」がスタート。日本でも人気の17世紀のオランダの画家、ヨハネス・フェルメールの初期の傑作と言われる「窓辺で手紙を読む女」がやってきます。この度、修復され塗りつぶされていた背景のキューピッドが現れて、描かれた当時の姿となりました。所蔵館である、ドイツのドレスデン国立古典絵画館に次いで世界に先駆けて日本での公開です。東京での展示の後、北海道にやってきます。
併せて17世紀のオランダを代表する名画が展示されます。
なんとこの展覧会の担当が大下さんです。これまで当たり前に行われていた海外からの作品輸送などがコロナ禍で非常に難しく、開催に向けてのご苦労が多かったそう。
GW期間中も開催されますので、函館から足を運ぶ方もいらっしゃるかも知れませんね。
函館美術館でも、現在楽しい展示が行われています。感染対策をしたうえで、アートに親しむのはいかがでしょう?
写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて
恵比寿ガーデンプレイス内 東京都写真美術館3階展示室にて5月8日(日)まで
※詳しくはHPをご覧ください。こちらから
北海道立近代美術館のHPはこちら。