11:10~「人ネットワーク」
FMいるかでは、感染対策をしたうえでスタジオにお客様をお迎えしています。
今日はお客様に、作家の笠原 靖さんをお迎えしました。
作家として小説、エッセイに絵本、はたまたイラストまで、様々な作品を手掛ける笠原さん。
代表作である動物推理小説「名犬フーバーの事件簿は」はシリーズ化され、2008年には里見浩太朗さん主演でテレビドラマにもなりました。
現在は、ご縁があって奥様のご実家のある函館に長期滞在しています。
福井県の若狭湾を臨む小浜市ご出身の笠原さん。
子どもの頃から絵を描くのが大好き。紙と鉛筆さえあれば、いくらでも描いている姿を見て、周りの人たちは「将来は絵の道に進むのでは?」とおっしゃていたそうです。
中学生の頃に書いた作文が褒められたことはあったそうですが、後に作家の道に進むとは、ご本人も全く思っていませんでした。
得意の絵で、大学時代は明治大学漫画集団に所属。
3年生の時にはキャプテンを務めるのですが、この時に開催された「六大学漫画合戦」というイベントで司会を務めることになりました。
それが好評を博し、卒業後はアナウンサーの道に進むことになります。
卒業後は、地元福井県の福井放送にアナウンサーとして就職されます。
ニュースなどを担当する中で、スポーツアナウンサーになりたいと希望した笠原さんは、終業後も自主的に練習を積み重ねます。
技術は向上しましたが、声の出し過ぎで喉の血管を切ってしまい吐血。
そんなことが2度あり、「次は声が出なくなる」というお医者様からの忠告を受け入れて、アナウンサーを続けることを断念します。
放送局からは「アナウンサー以外の仕事で」と慰留されますが、「東京で作家になる」と退社し学生時代以来の上京を果たします。
「作家になる」と言ったものの、当てがある訳ではなく、当時求人のあった学習研究社(学研・現Gakken)に再就職します。
ここでの仕事が面白く、小説を書く機会はほとんどなかったそうです。
作家となって以降は、子どもの頃からお好きだった動物(特に犬)や、冒険をテーマに作品を発表します。
作品制作のため、たびたびアフリカなどに取材旅行にも出掛けられたそう。
400~500頭もの象の群れに囲まれたり、ライオンに追いかけられたりと驚くような経験もされています。
因みに函館出身の奥様との出会いのきっかけもアフリカ。
アフリカに造詣が深く留学経験もある奥様が取材の際の通訳などもして下さったそうです。
奥様は、笠原さんのエッセイ「ゴエモンが行く!生命(いのち)と向き合って」の写真も担当しています。
生後37日で笠原家にやって来た、お2人の大切な家族・パグの「ゴエモン」との出会いから別れまで、共に暮らした日々が生き生きと綴られています。
お仕事の関係などで、渥美清さんや八千草薫さんなど、さまざまな分野でご活躍された皆さんともお付き合いがあったそう。
現在も函館で執筆をされています。
この函館の地でどのような作品が生み出されるのか楽しみです。