11:10~「人ネットワーク」
FMいるかでは、感染対策をしたうえでスタジオにお客様をお迎えしています。
今日はお客様に、函館地方気象台 次長の藤田 英治さんをお迎えしました。
月に一度放送している「気象台インフォメーション」(第1木曜・11時10分頃から。場合によっては第2木曜・10時15分頃から)に、これまで5回もご出演下さっている藤田さん。
優しい語り口で、お聞きの皆さんにも人気です。
昨年、ご出演下さった際に藤田さんが「今年度で定年」とおっしゃると、「是非、年度内にもう一度ご出演を」との声が寄せられました。
そのリクエストにお応え下さり「人ネットワーク」にご出演となりました。
ご出身は仙台市。模型が大好きでお友だちとよくエンジン式の「Uコン」で遊んでいたそう。
中学3年の秋に函館にお引越しされ、本通中学校から当時の函館東高校に進まれます。
3年間弓道部に所属され全道大会への出場経験もあります。
仙台時代、管区気象台が揚げる高層観測気球を見ていた思い出から、国家公務員試験合格後、気象台でのお仕事に進まれます。
当時は名称が「函館海洋気象台」でした。
函館空港での研修を経て奥尻空港に観測員として赴任。
2年間の勤務の後、函館に戻り予報課に配属されます。
その後は測候課レーダー班の一員として、函館山の千畳敷に当時あった観測所の担当に。
2泊3日、3名で泊まり込み、調理もされたそうです。
レーダー画面に映った雨雲を透明なシートに写し取り、FAXで伝送するのが主なお仕事。
その当時の貴重な資料が今も気象台に残ります。
「藤田」という署名も見られます。
200㎞以上も遠くの、目には見えない雨雲がスコープに映し出されるのが不思議で、「レーダーの仕事に進みたい」と思うようになった藤田さん。
その後、東京の気象庁本庁、新千歳空港測候所などでレーダーに携わって来られました。
札幌管区気象台にご勤務をされていた2006(平成14)年の秋には台風18号が北海道に大きな被害をもたらしました。
風が非常に強い台風で、札幌レーダーではアンテナの異常アラームが出て観測が止まってしまいます。
藤田さんは担当の先輩や業者の方と、小樽の郊外にある毛無山気象レーダーに向かい、必死で復旧作業に当たられました。
気象台に戻ったのは夜も遅くになってから。
「お疲れ様」の声に、ホッとされたそうです。
この時の札幌管区気象台での最大瞬間風速は50.2m/sは、現在でも歴代1位です。
2019(令和1)年に、25年ぶりに函館勤務となりました。
今年度は、函館地方気象台150周年にも携わりました。
初任地の函館で節目の150周年に関わり退職を迎えられます。
今日は、「気象台インフォメーション」では聞くことができないご趣味のプラモデル作りについてもお話下さいました。
コロナ禍で現在、気象台では一般の見学の受け入れを中止していますが、今後、気象庁本庁で緩和に向けた検討がなされることが期待されます。
昨年の150周年を記念して、歴史が詰まった展示室がリニューアルされていますので、多くの皆さんに見て頂けるようになると良いですね。
藤田さんは、どうやら再任用でこの後も函館でお仕事をされることになりそうです。
またお声を聞ける機会があると嬉しいですね。
函館地方気象台ホームページは、 こちら からご覧ください。