11:10~「人ネットワーク」
緊急事態宣言が解除となり、スタジオにお客様をお迎えしています。
引き続き、スタジオの消毒など感染対策をしたうえで、放送をお届けしていきます。
今日は、お客様に函館地方・家庭裁判所長の佐久間 健吉さんをお迎えしました。
裁判官となって30年。主に民事裁判を担当してこられた佐久間さん。
各地の裁判所で勤務をされ、今年の3月に東京地方裁判所から函館にいらっしゃいました。
お生まれは東京ですが、転勤族のご家庭で小学校の卒業は網走で迎えられたそうです。
少年時代は漫画がお好き(特に横山光輝作品)、学生時代は大学の山登りサークルに所属するほど山登りに打ち込んでいたとおっしゃる佐久間さん。
映画「剣岳―点の記」でお馴染みの名峰「剣岳」にも登頂されたそうです。
その学生時代は法律を学び、弁護士を目指されたそうです。
司法試験に合格した後、裁判官、検察官、弁護士の各先輩のもとで学びを深める中、尊敬できる裁判官の方に出会ったことで現在の道に進まれました。
実は現在は「法の日」週間。
昭和35年に10月1日が「法の日」と定められ、10月1日からの1週間が「法の日」週間となります。法制度の説明会など、さまざまな行事を行っています。
今日は裁判所のお仕事の中から佐久間さんも担当をされる、「調停制度」について詳しくお話していただきました。
「調停」は、裁判のように法律によって白黒つけるものではなく、話し合いによりお互いが譲り合うことによって調停を利用される方自身がトラブルを解決するのを支援する制度です。
離婚や離婚に絡む子どもの養育権や親権者の問題、遺産相続のトラブルなど家庭内のあれこれ。またお金の貸し借りや、賃金の未払い問題、騒音などのご近所トラブルなど、私たちに身近なさまざまなトラブルに対応しています。
裁判官と専門的な知識をもつ調停委員が「調停委員会」というチームを組んで、中立的な立場からアドバイスをするなどの支援をします。
これにより、お互いが納得できる柔軟な解決を目指すことができる。
裁判に比べて手続きが簡単で費用も安く済む。
解決までの時間が比較的短い。
非公開の手続きなので秘密が守られるなど、さまざまな良い点があります。
調停制度は来年100周年。
長く支持されてきた制度です。
100周年の節目に、3匹のお猿さんの広報キャラクター「メガネアイ」「オオミミアイ」「ハナシアイ」、3匹併せて「アイアイアイ」が誕生しました。(お写真で佐久間さんがお持ちの物です。)
佐久間さんは函館にいらして半年ほど。
コロナ禍で、あちらこちら出歩いてというのは難しい状況ですが、街を散策して面白いものを見つけたり、大好きなナポリタンを食べ比べたりと、函館生活も楽しんでいらっしゃるようです。
裁判所には「気軽に利用する」というイメージはないかも知れませんが、身近なトラブルの解決の選択肢の一つに調停制度があるということを知っていただければと思います。
※調停の手続き相談会(主催・日本調停協会連合会、函館調停協会)が開催されます。調停の申し立て手続きについて調停委員が無料でご案内します。(具体的な事案のアドバイスなどは行いません。)
10月16日(土)10時~15時
函館市亀田交流プラザで開催。
函館地方裁判所、函館家庭裁判所のホームページはこちらにあります。