11:10~「人ネットワーク」
マスクの着用、スタジオ内の換気、消毒を徹底してお客様をお迎えしています。
今日はお客様に、函館市教育委員会 生涯学習部 文化財課長の長谷山 裕一さんをお迎えしました。
函館の大船遺跡・垣ノ島遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されました。登録に至るまでには、多くの関係者の皆さんの長きに渡る頑張りがありましたが、文化財課の皆さんもたいへんに尽力されています。
この遺跡群は、1道3県にまたがる17の関連遺産と2つの構成資産からなります。各所で多くの方が関わる中、調整をしたり、昨年行われた国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査のための準備をしたりと、ご活躍でした。
コロナ禍で、本当に現地調査が実施できるのか?また昨年は世界遺産委員会が開催できなかったため、昨年に審査予定だったものが、今年審査される予定のなか、もともと今年の予定になっていたものが、どうなるのか?さまざまに不明点がある中で、準備を進めてきました。
審査が行われた当日、長谷山さんは市長始め市役所の関係者の皆さんと一緒にオンラインで世界遺産委員会の様子を見守っていたそうです。
審査は思ったよりもスムーズに進み、予定時間よりも早くに登録が決定しました。
その翌日には、垣ノ島遺跡の一般公開もスタートしています。
9日に千代台球場(オーシャンスタジアム)で行われたプロ野球の試合の際には、国宝の中空土偶「カックウ」の着ぐるみによる始球式などのイベントも開催されました。
この日は雨でしたが、セレモニーは無事に開催することができました。
これまで市役所で、街づくりや景観に係る分野のお仕事に長く携わってきた長谷山さん。登録に向けたさまざまなことが大詰めを迎えた、昨年の4月に文化財課長に。これまで多くの方が大切に繋いできたバトンが渡されました。
世界遺産登録や、それに向けた機運の醸成には多くの方が関わっています。人と人との関りを大切にお仕事を進めています。
世界遺産登録がゴールではなく、ここから更に多くの皆さんに愛されていかなければいけません。今現在、そして今後多くの皆さんを迎える中で、各施設もさまざまな課題が出てくるでしょう。皆さんも何かお気づきのことがありましたら、お気軽にご意見をお寄せ下さいね。
また遺跡にお出かけの際は定時解説や発掘体験などもお楽しみ下さいね。
11:10~「人ネットワーク」
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今日はお客様に、日本アマチュア無線連盟 渡島檜山支部 支部長の佐々木 朗(あきら)さんをお迎えしました。
中学生の頃に手づくりしたラジオから音が流れてきたことに感激したのをきっかけに、アマチュア無線に係るようになり、以後その魅力にハマり続けているとおっしゃる佐々木さん。
支部は渡島・檜山全域を網羅し、現在200名を超える会員の方がアマチュア無線に親しんでいます。
コロナ禍で多くの皆さんが楽しみにしているイベントの中止などはありますが、直接に顔を合わせなくとも楽しみの多いアマチュア無線、全国各地の愛好者(ハム)の皆さんと、やり取りがなされているようです。
アマチュア無線を楽しむためには免許が必要になります。国家試験を受験し所得する方法、更には講習会を受講し所得する方法があります。佐々木さんは講習会の講師も務められるそうですよ。決して難しいものではなく、お子さんでも頑張れば取得することができます。
全国、また海外の人とも繋がることができます。顔を知らない人とも、共通の趣味を通じ話が盛り上がることもありますし、世代を超えた交流ができるところも魅力です。
また、災害が発生し通信がままならない場合や遭難時にも、力を発揮する可能性があります。
いざという時に、役立てられるように支部では訓練も行っています。
8月29日(日)午前10時からは、「午前4時に道南地方の海底を震源とする地震が発生し、道南一帯が停電となった」という想定での訓練を行います。携帯電話がほとんど通じず、インターネットも壊滅的な状況のなか、人々が避難所に集まってきますが、通信を確保できないことから、実態の把握ができず、物資の配分にも頭を悩ます。そこで災害救援のためアマチュア無線を利用し、通信を行うという非常通信訓練です。
訓練の後には、非常通信の反省の時間も設けるそうです。
佐々木さんはこの春まで、道南の中学校に先生としてご勤務されていらっしゃいました。
自分が子どもの頃から、アマチュア無線を通じ多くの方と交流し、先輩たちに育ててもらった経験から、今の子どもたちにも楽しんでほしいという思いをお持ちです。
携帯電話やSNSなどで、いつでも簡単に人と繋がることができる時代ではありますが、アマチュア無線には、まず「もの作りの楽しさ」があり、そして顔は知らないけれど共通の趣味を持つ人と繋がるワクワク、それが災害時などいざという時に役立つかもしれないという幾つもの側面があります。
新たに始めてみたい方はもちろん、子どもの頃に熱中していて、また始めてみたいと思われた方(カムバックハムと呼ばれているそうです)大歓迎!とのこと。
コロナ禍でお家時間が増えている今、アマチュア無線で楽しんでみませんか?
ホームページはこちらから
11:10~「人ネットワーク」
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今日はお客様に、函館市教育委員会 生涯学習部文化財課の学芸員 福田 裕二さんをお迎えしました。
学芸員として長きに渡り縄文に携わり、この度の「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録にも尽力された福田さん。
登録決定の瞬間は、市役所の庁舎内で市長始め関係部署の皆さんと世界遺産委員会の様子をライブ視聴していたそうです。イコモスの登録勧告があっても、世界遺産員会で審査が白熱する案件もありますが、「縄文」はすんなりと決まりました。ドラマチックさには欠けますが、それだけの評価を受けたということでしょうか。たいへんに嬉しい登録決定です。
福田さんはもともと考古学がご専門。「発掘をするならば南茅部に」という先輩学芸員さんのお誘いを受けお仕事を始められます。当時は、まさか後に世界遺産になる、そして自分がそこに係ることになるとは思ってもみなかったそう。
世界遺産に向け動き始めた当初も「本当に世界遺産になれるのだろうか?」という思いがあったそうです。
多くの皆さんの思いや活動が結集し、この度の世界遺産登録となりました。
福田さんには、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である、函館の大船・垣ノ島両遺跡の魅力についてもお話いただきました。
「大船遺跡」は、墓地の造成に伴い事前に発掘調査を行ったところ、多くの竪穴建物と遺物からなる大規模な集落跡が発見されました。この場所で人々がどのような生活を営んでいたのか、想像してみるのも楽しいですね。
そして、一般公開が始まったばかりの「垣ノ島遺跡」は、大規模な盛り土遺構が特徴です。こちらは、国道278号のバイパス工事に伴う発掘調査により注目された遺跡です。
「盛り土」は貝塚と同じような意味を持ちます。かつては「捨て場」と言われていたこともありますが、現在では「送りの場」という見方がされています。縄文時代は、「モノ」にも魂があると考えられていたようで、亡くなった方はもちろん、役割を終えた「モノ」も丁寧に送っていたようです。
実は垣ノ島遺跡は、発掘調査が実施されたのが2%程度。そこから膨大な遺物が発掘されています。
大船・垣ノ島両遺跡では、定時解説も行っています。是非、解説を聞いて縄文に思いを馳せ興味を深めていただければと思います。
また、函館や道南には博物館や資料館がたくさんあり、縄文の出土品も多く展示されています。各館にも学芸員さんがいらっしゃいますので、お気軽に声を掛けてお話してみて下さいね。
11:10~「人ネットワーク」
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今日はお客様に、高校生画家 藤倉 朱里(しゅり)さんをお迎えしました。
2003年生まれ、現在17歳の藤倉さん。絵を生活の中心に置いた生活を送るため、生まれ育った今金町を離れ、今年の5月に函館に引っ越してきました。現在は、通信制の高校で学びながら作品を描いています。
物心ついたころから、お兄さんの真似をして絵を描いていたとおっしゃる藤倉さん。当時描いていたのは、女の子や好きなキャラクター。ただ当時から既に独自の視点を入れた絵を描いていたようです。
現在、函館コミュニティプラザGスクエアで開催されている「函館アートコレクション」に、出品者のお一人として作品を展示しています。そこには、高校の美術の授業で課題として描いたという画用紙の絵が1枚ありますが、美術の技法を用いながら仕上げた作品は、朱里ワールド!!カラフルでポップな独創性あふれる作品です。
藤倉さんが注目されるようになったきっかけは、昨年末に放送されたテレビ番組「誰も知らない明石家さんま」内の『さんま画商プロジェクト』というコーナー。明石家さんまさんが番組の企画で脳ドックを受け、専門家が脳の特長を調べたところ最も向いている職業が「画商」と判明しました。
そこで番組では、作品を一般公募。さんまさん自らが、まだ無名のアーティストを発掘しプロデュースして、作品を販売する企画が行われました。
そこに作品を応募したのが藤倉さんです。実は、出品した作品は高校の美術部に所属していた藤倉さんが大会出品用にと、いとこをモデルに描いたものでした。規定サイズの間違いから、審査の対象外になってしまい落ち込んでいたところ、テレビの企画を知ります。お母さんの一言で応募してみることに。応募総数4,000点を超える中、始めは放送で使用される作品には選ばれなかったものの、追加で選ばれ藤倉さんも東京へ。生さんまさんにもお会いしてお話することができたそうです。
作品には50万円の値が付き、美術品などのオークションを手掛ける「東京中央オークション」に買い取られました。
そこから、藤倉さんの生活は一転します。それまで漠然とした夢だった画家の道に進むため、通っていた学校をやめて函館に住まいを移し、6月には函館国際ホテルで初の個展も開催しました。
自分の描く絵が好きになれず悩む時期があったという藤倉さん。テレビ番組で評価を受けたのは、そんな葛藤を抱えた時期だったそうです。さんまさんや、購入者の方に暖かい声を掛けられたことが励みになったそう。今もアイディアが浮かばず産みの苦しみと闘いながら描き続けています。
色彩豊かでインパクトがあり、見る人の想像力を掻き立てる作品を描く藤倉さん。これから更にさまざまなことを経験し、年齢を重ねてどのような作品を産み続けていくか、たいへん楽しみです。
藤倉さん出展の「函館アートコレクション」は、本町シエスタハコダテ4階 函館コミュニティプラザGスクエアで31日(火)まで。
28日(土)15時からは出展者による座談会も予定されています。
作品やグッズ販売については、SNSをご覧ください。
11:10~「人ネットワーク」
今日は、北海道南茅部高等学校 生徒会長で縄文クラブ部長の加我 謙典(けんすけ)さんにお電話でご出演頂きました。
高校は現在夏休みですが、南茅部地区はこの時期、養殖昆布漁の最盛期。高校生の皆さんも、まだ暗いうちから起きて、自分の家やご近所の昆布の作業を手伝います。
加我さんは午前3時頃に起きるそうですが、2時半起きで作業を手伝うお友達もいるとか。学校でも、生徒たちが、作業を終えて一休みしてから登校できるようにと、夏休み前後の時期は「逆サマータイム」を設け、始業の時間が通常より遅くなっています。南茅部の特産品は、こんな風に地元の若い力にも支えられています。
南茅部地区で生まれ育った加我さん。小さな頃は、それほど縄文に興味があった訳ではありませんでした。ただ、近くに遺跡があることは知っていましたし、よくご近所に土器の欠片は落ちていたそうです。
中学生の頃に、地域にある大船・垣ノ島の2つの遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた動きが活発化し、そこから関心を持つようになります。
高校に入ると、生徒会メンバーが並行して活動する縄文クラブの一員となり、土器づくりや、シカ角を加工する体験、ガイド研修などで縄文に親しみました。
昨年はコロナ禍で思うような活動はできませんでしたが、今年度は世界遺産登録を受けて活動も本格化。学校に中空土偶(カックウ)の顔をイメージした花壇アートを作りました。また現在は、函館市縄文文化交流センターと共同でポスター制作やキャッチフレーズの考案などに取り組んでいます。
先日行われた、垣ノ島遺跡のオープン祝賀セレモニーにも参加しました。先輩たちが作成した縄文時代の衣装に身を包み、縄文時代の居住形態を再現するデモンストレーションを行っています。これまで頑張ってきた、先輩たちの思いも受け継ぎ活動をしています。
南茅部高校は現在生徒数が27名。少人数ですが、生徒同士、また生徒と先生の距離が近く深い絆で結ばれています。また「逆サマータイム」など、生徒に寄り添った取り組みがなされていますし、地域の皆さんも子どもたちの活動を応援してくれています。
8月24日(火)には、中学生を対象とした体験入学も行われます。(中学校を通して要申込。)高校進学を控えたお子さんをお持ちの皆さん。選択肢のひとつとしていかがでしょう?
加我さんは現在3年生。縄文クラブとして活動できるのも、残りわずかですが、なぜこの遺跡群が世界遺産に登録されたのか、その理由や価値を多くの人に知ってほしいとお話下さいました。
将来の夢は料理人。高校卒業後は地元を離れて専門学校に進学予定です。
生徒会や縄文クラブでの活動を糧に、大きく羽ばたいてほしいですね。
北海道南茅部高等学校のホームページはこちら