11:10~「人ネットワーク」
今日は、北海道南茅部高等学校 生徒会長で縄文クラブ部長の加我 謙典(けんすけ)さんにお電話でご出演頂きました。
高校は現在夏休みですが、南茅部地区はこの時期、養殖昆布漁の最盛期。高校生の皆さんも、まだ暗いうちから起きて、自分の家やご近所の昆布の作業を手伝います。
加我さんは午前3時頃に起きるそうですが、2時半起きで作業を手伝うお友達もいるとか。学校でも、生徒たちが、作業を終えて一休みしてから登校できるようにと、夏休み前後の時期は「逆サマータイム」を設け、始業の時間が通常より遅くなっています。南茅部の特産品は、こんな風に地元の若い力にも支えられています。
南茅部地区で生まれ育った加我さん。小さな頃は、それほど縄文に興味があった訳ではありませんでした。ただ、近くに遺跡があることは知っていましたし、よくご近所に土器の欠片は落ちていたそうです。
中学生の頃に、地域にある大船・垣ノ島の2つの遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた動きが活発化し、そこから関心を持つようになります。
高校に入ると、生徒会メンバーが並行して活動する縄文クラブの一員となり、土器づくりや、シカ角を加工する体験、ガイド研修などで縄文に親しみました。
昨年はコロナ禍で思うような活動はできませんでしたが、今年度は世界遺産登録を受けて活動も本格化。学校に中空土偶(カックウ)の顔をイメージした花壇アートを作りました。また現在は、函館市縄文文化交流センターと共同でポスター制作やキャッチフレーズの考案などに取り組んでいます。
先日行われた、垣ノ島遺跡のオープン祝賀セレモニーにも参加しました。先輩たちが作成した縄文時代の衣装に身を包み、縄文時代の居住形態を再現するデモンストレーションを行っています。これまで頑張ってきた、先輩たちの思いも受け継ぎ活動をしています。
南茅部高校は現在生徒数が27名。少人数ですが、生徒同士、また生徒と先生の距離が近く深い絆で結ばれています。また「逆サマータイム」など、生徒に寄り添った取り組みがなされていますし、地域の皆さんも子どもたちの活動を応援してくれています。
8月24日(火)には、中学生を対象とした体験入学も行われます。(中学校を通して要申込。)高校進学を控えたお子さんをお持ちの皆さん。選択肢のひとつとしていかがでしょう?
加我さんは現在3年生。縄文クラブとして活動できるのも、残りわずかですが、なぜこの遺跡群が世界遺産に登録されたのか、その理由や価値を多くの人に知ってほしいとお話下さいました。
将来の夢は料理人。高校卒業後は地元を離れて専門学校に進学予定です。
生徒会や縄文クラブでの活動を糧に、大きく羽ばたいてほしいですね。
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