11:10~「人ネットワーク」
FMいるかでは、感染対策をしたうえでスタジオにお客様をお迎えしています。
今日はお客様に、北海道立函館美術館 学芸員の田村 允英(まさひで)さんをお迎えしました。
広島県ご出身の田村さんですが、北海道生活も7年目。
旭川、札幌でのご勤務を経て、昨年の4月に函館にいらっしゃいました。
北海道の冬には随分と慣れて来たようですが、道南・函館でこの雪とは思っていなかったようです。
現在、北海道立函館美術館では、田村さんがご担当の展覧会「道南美術のクロニクル 来し方行く末」が開催中。
「道南美術の歴史、ここにあり!」という文字がポスターに見えている通り、江戸時代・中期の小玉貞良「江差屏風」から、現在もご存命の方まで、道南出身やゆかりのある作家の作品が並びます。
1986(昭和61)年開館の函館美術館ですが、このように道南関連の作家の作品を一堂に展示する展覧会は初めてとのこと。
大変に見ごたえがあります。
展示室に入って一番初めに展示されているのは、明治期の北條玉洞の「鶏朝顔図」。
これまで取り上げられる機会があまりなかった玉洞ですが、函館に北海道初の絵画専門学校を設立し、道南の美術教育に尽力しました。
その教えを受けた田辺三重松などが参加し結成されたのが、道内最古の美術団体・赤光社。
道内画壇を牽引する画家が次々現れます。
戦後も、新たな美術団体がいくつも立ち上げられます。
活動地域を全道や全国に広げる人も増え、現在までその活動は更なる広がりを見せています。
時代の流れの中で、戦争に関わらざるをえなかった画家もいます。
「記録」「記憶」として戦争やその周辺を描いた作品も今回は見ることができます。
蠣崎波響は、美術館の収蔵作品がほぼ全て展示されています。
「京洛十二ケ月画巻」は、今月いっぱいで展示替え。
2月1日からは新たな部分をご覧いただけます。
また会期中は道南美術の研究者による連続美術セミナーを開催。
初回は終了しましたが今後2回目以降が開催され田村さんも講師を務められます。
常設展示室では「新収蔵品展」、鷗亭記念室では「鷗亭と牧水」が開催されています。併せてお楽しみ下さい。
道南の美術、実は凄いんです!是非、じっくりお楽しみ下さい。
「道南美術のクロニクル 来し方行く末」
北海道立函館美術館にて3月5日(日)まで開催。
9時30分~17時(最終入場16時30分) 月曜休館
一般 510円 高大生 300円
※65歳以上および中学生以下無料。
その他、リピーター割引など各種割引料金の設定があります。
美術セミナーなど詳しくは HP をご覧ください。