10:45~ 市立函館博物館
2月も半ばを過ぎ、雛人形を飾っている場所を多く見かけるようになりました。
市立函館博物館でも、所蔵している雛人形の中から貴重な物を展示しています。
お話は学芸員の保科 智治さんとお届けしました。
7段に展示されているのは、弁天町で船具や荒物を取り扱う店を営んでいた「能代屋 杉野家」が所蔵していたもの。
幕末から明治初期、まさに箱館戦争の頃に作られたものと思われます。
男女一対の「親王雛」と呼ばれるもので、その後道具類も揃えられました。
人形も大きく、女雛の頭の飾りも細かく手が込んでいます。
五人囃子ではなく、雅楽を奏でる五楽人(ごかくじん)の人形は、手にする楽器も笙(しょう)など雅楽器なのも特徴です。
道具類は、木製で表面は漆がツヤツヤしています。
お茶道具では、ままごと遊びのようなことをしたのかも知れません。
貝合わせも優美です。
「花車」は、湯の川に明治20(1887)年に開業した「林長館」(りんちょうかん)にあったとされるひな飾りの一部。
牛車はひな飾りによく見られますが花車はほとんど見られません。
大和絵雛屏風(六曲一双)には、男雛と女雛と見られる人物が描かれています。
女雛の近くには車が描かれていることから「この車に乗ってお輿入れをするところか?」など想像するのも楽しいです。
御殿の中に内裏雛を収めた「御殿雛」は、大正期に購入したもの。
品の良い人形が見えています。
現代のものとは異なる風情を、是非じっくりお楽しみ下さい。
◆市立函館博物館(函館公園内)
9時~16時(冬季開館時間) 毎週月曜・月の最終金曜・祝日休館
※雛人形は3月30日(木)まで。第3展示室にて展示中。
日曜日は無料で入館できます。
12:10~ 大森町 サン・リフレ函館(函館市勤労者総合福祉センター)
明日18日(土)から、函館の切り絵作家・舩木 逸子さんの作品展「切り絵の世界にようこそ」が始まります。
展示作業中の舩木さんにお話を伺いました。
学校の先生をされていた頃に社会学級で切り絵に出会った舩木さん。
退職後は趣味で作品を作り続け、現在では作家としてだけでなく教室で指導にも当たっています。
今回の作品展では、お馴染みの函館の建物を描いたもの、道南の風景の一コマ、旅行に行った秋田での光景を作品に仕上げました。
文字が配されたものもあります。
とにかく細かい!切り口もきれいです。
写真を元に、作品としてバランスの良い構図に仕上げるため人物や看板を入れ込むなど、工夫をして描きます。
使用するのは意外にも専用のカッターではなく、100円で購入できるものだとか。
刃は一般的な物よりも鋭角な30°のものを使用するそうです。
展示のお手伝いに来ていた、教室の生徒さんにもお話を伺いました。
舩木さんの函館の風景を切り取った作品は、今年の春にオープン予定の「ラビスタ函館ベイアネックス」に4点、常設展示されることになりました。(宿泊の方のみ見られるスペースです。)
また、サン・リフレでの今年の講座も4月からスタートします。
3月に入ると募集が始まりますので、興味のある方はサン・リフレの情報をチェックしていて下さいね。
サン・リフレにもひな人形がありました!
サン・リフレ函館(勤労者総合福祉センター)
函館市大森町2-14
※舩木さんの作品展は1階ロビーにて
2月18日(土)~27日(月)9時~21時