11:10~「人ネットワーク」
FMいるかでは、感染対策をしたうえでスタジオにお客様をお迎えしています。
今日はお客様に、市立函館博物館 学芸員の奥野 進さんをお迎えしました。
市立函館博物館が収蔵する膨大な資料の保存、調査、展示などを行う5人の学芸員さんのお一人が奥野さんです。
美術や民俗などの分野を担当します。
ご出身は京都の舞鶴。
大阪や福岡で育ち、北海道教育大学への進学で函館にやって来ます。
卒業後、函館市役所に入り、市誌編纂室や図書館などでの勤務を経て、博物館に。
函館生活も30年程になりました。
その奥野さんが手掛けているのが、現在博物館で開催されている今年度の企画展「平沢屏山とその時代」。
アイヌ絵師として有名な平沢屏山の生誕200年記念の企画展です。
現在の岩手県花巻市で生まれた屏山は、ペリー来函の10年程前の1845年に当時の箱館にやって来ました。
船乗りのために絵馬を描いていたことから「絵馬屋(えんまや)」と呼ばれます。
後に豪商・杉浦嘉七との出会いにより、アイヌ絵を手掛けるようになります。
優れた絵の技量に加え、アイヌの人々と生活を共にしながら描いた屏山の作品は、いきいきとした表情や、風俗を正確にとらえている点などが特長です。
子どもの姿も多く見られます。
箱館にやってきた欧米人が作品を多く持ち帰ったことから、現在も世界各地の博物館や美術館に収蔵されています。
実はあまり知られてはいませんが、函館はアイヌ絵の一大集積地。
市立函館博物館、また函館市中央図書館では、屏山の代表作「アイヌ風俗十二ケ月屏風」(函館市指定有形文化財)をはじめ、数多くの屏山作品やアイヌ絵を収蔵しています。
まとまった数を展示するのは、実に40年ぶりのこと。
見応えがあります。
屏山が生きた時代は幕末から明治にかけての、日本がそして箱館が、大きく変わる時代。
箱館の人口は、1850(嘉永3)年から1876(明治9)年の約25年間に1万人から2万人強と2倍以上に。
戸数は、1700戸から6300戸と3.6倍にもなります。
1873(明治3)年の人口は全国で28位、東北以北では仙台・秋田・弘前に次ぐ規模でした。
平沢屏山の作品と「その時代」の箱館・函館を知ることができる展示です。是非、感染対策をしてお出掛け下さい。
また、博物館では、市制百年記念「写真でたどる函館の百年」(10月16日まで)も開催中です。
今日で、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録からちょうど1年。「北の縄文スタンプラリーinおしま」がスタートしました(9月30日まで)。
更に、館内では新選組隊士・中島登が描いた「戦友絵姿」の人気投票(10月16日まで)も実施中。投票者、先着100名には戦友絵姿の缶バッジをプレゼントします。振るってご参加下さい。
市立函館博物館(青柳町 函館公園内)
毎週月曜日休館。その他、月の最終金曜日や祝日も休館の場合があります。
HP内開館日カレンダーでご確認下さい。
9時~17時(最終入館16時30分)
一般 300円 大学・高校生 200円 小・中学生 100円
(市内の小・中学生は無料など各種割引制度があります)
※8月13日(土)13時からは奥野さんによる展示解説セミナーも行われます。
当日直接会場にお出かけ下さい。
市立函館博物館ホームページは こちら からどうぞ。