11:10~「人ネットワーク」
今日は、作家・まさき としかさんにお電話でお話をお伺いしました。
東京生まれ、札幌育ち、現在札幌在住で作家活動をする、まさきとしかさん。
2007年に「散る咲く巡る」で、第41回北海道新聞文学賞を受賞されます。
翌2008年に「散る咲く巡る」が収録された「夜の空の星の」で本格的に作家デビューを果たし、以後「完璧な母親」「いちばん悲しい」など話題作を続々と世に送り出しています。
子どもの頃は、家にあった「児童文学全集」をよく読んでいた、とおっしゃる、まさきさん。
お気に入りは「若草物語」や「小公女」「小公子」といった名作。何度も繰り返して読んですっかり覚えてしまったようで、読み聞かせをして下さるお父様の読み間違えに気づく程だったそう。
ご自身いわく「文章を書くこと以外のことが、あまり得意ではなかった」そうで、漠然と将来は文章を書く仕事をと思っていたそうです。
実は、中学生の頃ご友人の方と、交換日記のスタイルでSF小説を書き継いでいたそうですが、肝心のタイムスリップのシーンはダメ出しをされてしまい、ご友人の方が書くことになったそう。
少し時間に余裕があった20代の頃に、カルチャースクールの創作教室に通ったことをきっかけに本格的に小説を書き始めます。
有名な編集者の方が講師を務められるということで、先生に会ってみたいという気持ちもあっての受講だったようです。
そこで文章を褒められたことが、現在の作家・まさきとしかさんへと繋がっていくのです。
北海道新聞文学賞を受賞した「散る咲く巡る」は純文学ですが、それ以降はミステリー作品を手掛けられます。
今日のお話しぶりからは想像がつかない、毒気のある人物が登場してくる物語が多くあります。
起きる事件よりも、人間の怖さを感じるような物語。
自分でも気づいていない、己の毒のある一面をえぐり取られたような読後感の作品です。
昨年刊行された最新刊「あの日、君は何をした」(小学館文庫刊)は、2部構成。
連続殺人事件の容疑者に間違われた少年が事故死する一部と、その15年後に全く別の場所で起きる事件(二部)。
その二つが交錯し、繋がりを持った一つの物語として完結します。
実際のできごとから着想を得た部分もあるそう。
さまざまにノートに書き連ねたことを、パズルのように組み立てて行きます。
登場人物は、作中に描写がなくとも出自や生い立ちなどの人物像を作り上げるそう。
休憩時間に散歩をしたり、気分転換しながら物語を綴ります。
現在は、この「あの日、君は何をした」の続編。
そして、道南が舞台となる「重い」長編を手掛けているそうです。完成が楽しみです!!
お酒が好きで、ももいろクローバーZのファンクラブに入るほどのファン「モノノフ」でいらっしゃる、まさきさん。
是非、作品を手に取って、今日のお話と作品とのギャップに驚いて下さい。
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