11:10~「人ネットワーク」
今日はお客様に、暮らしと工芸と Hakodate Goryokaku そらのAger(アゲル)舟見 優子さんをお迎えしました。
舟見さんは、今年の8月、札幌で22年営んで来られたギャラリーを函館に移されました。
本町の、オールドスタイルホテル五稜郭5階が、舟見さんの新しいギャラリーです。
羽幌町近くの築別生まれの舟見さん。
高校卒業後は、北海道を離れ下北沢で生活をされていたこともあるそうです。
北海道に戻られたのは20代半ばのこと。
当時、その年齢の女性が新たな職に就くのは、なかなかに難しい時代でした。
そこで、アルバイトとして美術館で開催されるさまざまな展覧会の実行委員会に参加されたそうです。
会期中は好きなだけ作品を眺めていられる環境でした。
後に縁あって、広告制作会社に勤めることになります。
イベントの企画などを手掛けていた舟見さんですが、あるとき社長から、会社が立ち上げたギャラリーの担当者に抜擢されます。
決められた企画展を担当していきますが、自分が良いと思える作品ばかりというわけにはいかず、消化不良だったそう。
そこで、社長に「自分の企画でやりたい」直談判。
社長は苦い顔をしながらも、それを呑んで下さったそうです。
「自然しかなかった」とおっしゃる故郷で養われた美しい自然を見る目、美術館やイベント企画で得た経験などが、当時は無意識でも、全て今のお仕事に繋がっているようです。
ここ数年、江差でのお仕事のために中継地点として立ち寄っていた函館を気に入り、函館の仕事を増やしたいと、漠然と考えていたそう。
昨年、出会った現在のスペースを気に入り、ギャラリーごと函館に移って来られました。
屋根裏のようなスペースに、舟見さんが札幌からお持ちになったもの、もともとホテルのあったものが上手くマッチし、心地よい空間が広がります。
現在は、「暖かな部屋で」と題した企画展を開催中。
「トワイニング織り」と呼ばれる手織りの織物を手掛ける赤羽純子さん(茅ヶ崎在住)と、スウェーデンで木彫を学んだ高橋朝子さん(札幌在住)による、ラグや木彫りの人形など温かな作品が並びます。
江差の皆さんとの関わりも続いています。
結納の際に用いる箱と盆を、江差の皆さんと一緒に、結納ウッドクラフト「旦(あした)」と名付けて手掛けています。
匠が手仕事で仕上げる、桐箱と漆盆は結納後も、生活の中で幾久しく愛用していくことができます。
ギャラリーの企画展は、来年6月開催分まで既に決まっているそう。
函館に来ることを希望している作家さんも、たくさんいらっしゃるそうですよ。
皆さんも、お出掛けになってみませんか?
暮らしと工芸と Hakodate Goryokaku そらのAger
函館市本町29-23 オールドスタイルホテル函館五稜郭5階
※エレベーターは4階まで。そこから5階へは階段を上ります。
現在開催中の「暖かな部屋で」は、30日(月)まで。
10時~18時(最終日のみ17時まで)
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