11:10~「人ネットワーク」
緊急事態宣言が解除となり、スタジオにお客様をお迎えしています。
引き続き、スタジオの消毒など感染対策をしたうえで、放送をお届けしていきます。
今日は、お客様に七宝工芸作家 長谷川 房代さんをお迎えしました。
七つの宝と書く「七宝(しっぽう)」。金属で作られたものの表面に、陶磁器の仕上げに使われる釉薬などを塗り、高温で焼くことを繰り返して作品を仕上げます。
ひとつの作品を完成させるまでに、さまざまな工程がある七宝。作家の皆さんは、そのさまざまな工程を学び理解し、それぞれの個性が溢れる作品を生みだしていきます。
函館で生まれた長谷川さんは、中央の先生のもとに通いながら知識・技術を深め、ここ函館で長きに渡って素晴らしい作品を作り続けています。
数年前に、元サッカー選手の中田英寿さんが、日本文化を世界に発信すべく、全国各地の工芸作家のもとを巡ったことが話題になりましたが、中田さんは長谷川さんのところへもやって来たんです!!実際に体験もされたそうですが、非常に真摯に取り組んでいたそうですよ。
これまで多くの場所に作品を出展、展示してきた長谷川さんですが、現在はご自身初となるカフェスペースでの作品展示を行っています。
会場は森町駒ヶ岳にある「coco-dёsse(ココデッセ)」というカフェと1日1組限定のロッジ(現在は、コロナ禍のため宿泊はお休み中です)。
関西から移住された方が営んでおり、窓から眺める駒ヶ岳が素晴らしく、お料理も美味しいお店です。
カフェでの展示はこれまで経験がなかった長谷川さん。お声がけをいただき、お店を見に行って、そこからの眺めとお店の雰囲気が気に入って展示を決めました。
お手元にあった作品から、今の季節や、大沼近郊の雰囲気に合ったものをいくつか選んでお持ちになったそうです。
また、長谷川さんの七宝の師匠に当たる田中輝和氏の作品が、現在札幌の北海道立近代美術館で開催中の特別展「よみがえる正倉院宝物―再現模造に見る天平の技」に展示されています。
正倉院の貴重な宝物を、これから先も残していくために、現代の名工と呼ばれる作家の皆さんが再現しました。
チラシや看板でも一際目を引く、緑がきれいな七宝作品は7年かけて再現されたもの。現物を素手で触ることも、器具を使ってサイズを測ることもできず、白手袋をはめて、和紙のこよりで採寸して完成させたものです。
模造と呼ばれるものではありますが、それ自体博物館に収蔵されるような素晴らしい作品。札幌にお出かけ予定のある方は、美術館にもお立ち寄りください。
長谷川さんの作品は森町「coco-dёsse(ココデッセ)」で今月いっぱいご覧いただけます。
森町駒ヶ岳247-5(駒ヶ岳駅近く)
営業は木~日、祝祭日(臨時休業あり)11時~16時
お問合せ 01374-7-1175
「よみがえる正倉院宝物―再現模造に見る天平の技」は
札幌の北海道立近代美術館で11月7日まで開催。
coco-dёsse(ココデッセ)のホームページはこちら