11:10~「人ネットワーク」
北海道への緊急事態宣言発出を受け、当面の間、お客様はお電話でのご出演になります。
今日は、臨床美術士 中村 まゆみさんにご出演いただきました。
「臨床美術」は、創作活動を通じて脳の働きを活性化させることが、高齢者の認知症ケアに役立つのではないか?という発想からうまれたものです。
絵やオブジェなどの作品を楽しみながら作ることで脳を活性化させる。
それが当初考えられていた高齢者の認知症ケアだけでなく、高齢者の介護予防、働く人のストレスの緩和、子どもの感性教育などへの効果も期待できるのでは?と注目されています。
アートには興味があるけれど「自分には難しそう」「自分にはできない」という方もいらっしゃるでしょうか。
臨床美術は、上手下手ではなく、五感をフルに使って、感じたままに作品を仕上げていきます。
例えばリンゴを描く、リンゴのオブジェを作ると言った場合、よく観察することはもちろん、触れても、匂いをかいでも、実際に食べてしまっても良い訳です。リンゴに関する曲を聞いたり、ご自身のリンゴに関するエピソードを思い出しても良いかも知れませんね。
定期講座が開催されていますが、中村さんは指導者という立場ではなく、臨床美術のプログラム(なんと600以上もあるそうです!!)に基づき、参加者をリードする、声掛けをするという役割。
始めは「自分にはできない」と言っていた方も、気が付くとあっという間に時間が過ぎ、作品が完成している、なんて言うこともあるそうです。
毎年、この時期には作品展を開催しています。今年は、緊急事態宣言下での開催となり、予定していたワークショップは残念ながら中止となりましたが、この地域で臨床美術に取り組む皆さんの作品の展示が行われます。
北斗市の「ワークセンターほくと」の皆さんの作品も展示されるそうで、展示数は200点にも上るとか。見応え充分です。
リンゴや、縄文に因んでの火焔型土器、魚に雅楽と、さまざまなプログラムから生まれた作品が並びます。
この地域で、臨床美術を広げるための「種まき」をしているとお話下さった中村さん。
皆さんもこの作品展をきっかけに、臨床美術の世界に触れてみませんか?
※作品展は、22日(水)~26日(日)まで、函館市地域交流街づくりセンターで開催